2012.12.11
急激な温度の変化など、高齢者におけるトイレの危険を軽減します
●トイレに暖房機を取り付ける
設置理由・効果:急激な温度変化により、心筋梗塞や脳卒中などを起こすことを防止するため、
暖房便座や温水洗浄機だけでなく暖房機を設置
たとえば、温風ヒーター、パネルヒーター等を設置
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
前回にもお知らせしましたが、ヒートショックを起こさないためにも、急激な温度変化はなるべく避けたいものです。
そこで、トイレ内に小さなファンヒーターを置いて足元を暖めます。
最近のものには「トイレ暖房+脱臭+マイナスイオン発生
機能」が付いたものもあって、人がトイレに入るとセンサーが感知してスイッチが入り、急速暖房しながらイヤな臭いも消してくれます。省電・自動停止機能(退出後、2分間暖房・10分間消臭して自動停止)もついていて、トイレだけでなく脱衣場や台所にも使えるものもあります。
こんな便利な暖房器具を活用して、なるべく急激に温度が変化しないように気をつけたいですね。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.11.27
前回まで介護保険活用のリフォームについて記事を載せてきましたが、今回からは保険対象外ですが今後の備えとして活用できる事を載せて行きたいと思います。
~居住性を高めるリフォーム~
●高齢者が住み慣れた住宅で自立した生活を続けていくためにも、高齢者本人の心身機能を良く把握して、生活行為全体を考慮した住宅改修計画を建てることが必要です。
●しかし現段階で将来的に障害の進行が予想される場合には、それに対応したプランニングや後々リフォームがし易い環境にしておく事も必要です。
●しかし、住宅断熱性能を高めることで、快適な温熱環境の元で、快適に暮らすことが出来ます。部屋間の温度差を減らすこともできるため、生活空間を広く使え、真冬のヒートショックを和らげる事も出来ます。
●更に住宅の耐震性や耐久性を髙めることにも繋がります。
※ヒートショックとは、急激な湿度変化により体が受ける影響のこと。
~ポイントは断熱~
■部屋間の温度を差をなくすと健康に暮らせる
住宅の断熱性能を高めると部屋間の温度差を減らせ、真冬のヒートショックを和らげることができます。
■断熱は、まずは窓から
冬期の熱の48%が開口部から失われ、夏期は熱の71%が開口部から入ります。そのため、開口部の断熱性能を向上させることが重要です。
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~
より住宅改修でのヒートショック予防方法としては、断熱する事が効果的です。
窓に内窓を付けたり、サッシをペアガラスにしたりすることで、かなり断熱性が高まります。また簡単な方法としては、断熱フィルムを貼ることやカーテンを厚手のものに取り替えるだけでも、室内の保温性が高まります。
次回から、具体的な改修について載せていきます。
「ヒートショック」についてのブログも書きましたので、こちらもご覧下さい。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.11.09
ちょとした工夫で、高齢者の方の日常生活が楽になるとともに介護もしやすくなります。
●畳の床をフローリング床に張り替える
設置理由・効果:フローリングにしベッドを使用することにより、高齢者の方の足腰の負担を軽減する
●転倒や失禁の対策として、寝室にポータブルトイレを設置する
設置理由・効果:便所が遠く、移動が間に合わない
脳血管障害や脊椎損傷により歩行が困難
心臓疾患や高血圧により、寒い場所への移動が困難 など
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
先日のブログにも書いたように、寝返りも打てない、起き上がるのも大変な腰痛を体験したのですが、その時ほどベッドだったら・・・と思った事は有りません。
ベッドなら、とりあえず捕まれるところがある、上半身を起こし足を落とせば腰掛けた姿勢になれるのです。
床に座った状態から立ち上がるのに対し、ベッドから腰掛けた状態から立ち上がる方が、当然ラクです。
いくつになっても健康で元気に過ごせる事に超したことはありませんが、これからはデザイン性などだけでなく、将来を見据えてチョイスする視点も忘れないようにしていきたいですね。
以上で、介護保険活用の介護リフォームについてのご紹介は終了します。
次回からは、介護保険対象外になるけれど、今後に備えこんなリフォームをするといいですよというご紹介をしたいと思います。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.10.31
浴室内での転倒などによる事故を発生させないため、段差や床の滑りやすさなどの危険を防止します。
●浴室の扉を引き戸に取り替える
設置理由・効果:段差を解消し開閉し易く幅の広い扉にすることで、転倒事故を防止する
●浴室に手すりを設置する
設置理由・効果:手すりを設けることで、浴槽での立ち座り、浴槽への出入りが安全にでき、転倒事故を防止する
●浴槽内の入浴台、いす、すのこ(マット)、手すりや入浴用いすを設置する
設置理由・効果:浴室での転倒を防止する
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
トランスファーボードというのは、浴槽の縁に取り付けて、一度移乗台に腰掛けてから湯船に浸かるためのボードです。
浴室はとても滑りやすく、転倒の危険度もあがります。転倒事故を起こさないように、注意喚起が必要です。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.10.22
立ち上がった時の転倒など、高齢者の方のトイレにおける危険を軽減します。
●トイレの和式便器を洋式便器に取り替える
設置理由・効果:洋式便器にすることで、座ったり立ったりの動作の負担を軽減し、転倒事故を防止する
●深く腰掛けることが困難な方のために、便器に補高便座を設置する
設置理由・効果: 座高を高くすることで、座ったり立ったりし易くする
和式便器に簡単に設置できるものもある
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
補高便座は、ウォシュレット付きのものや、使用している便座が固いと感じる方のためにクッション性の良いものも出ています。
便座の高さを高くすることで、膝を無理に曲げずに腰掛けることができるようになります。
日に何度も使用するトイレですから、少しでも負担と危険を軽減したいですね。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.10.15
室内に手すりや滑り止めを設置することで、高齢者の方の転倒や転落が防止できます。
●手すりを設置する
設置理由・効果:しっかりと握れる太さと高齢者の方に合った高さとすることにより、転倒事故を防止できる
●階段に滑り止めを設置する
設置理由・効果:階段での転落事故を防止する
光る階段滑り止めについて、こちらで少し触れていますので、ご参考にしてください。
●廊下に段差解消の簡単なスロープを設置する
設置理由・効果:部屋の開口部に設置することにより段差を解消する
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
事故の発生場所については、道路などの屋外より敷地内を含む住宅の方が圧倒的に事故の発生率が高く、また
65歳以上の高齢者の方は、20歳以上65歳未満の人より家庭内での事故発生の割合が高くなっています。室内のちょっとした工夫と改善で、ご高齢の方が転倒や転落などの事故に遭わないようにしたいものです。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.10.09
玄関のたたきから上がり框(かまち)までの段差を解消することで、出入りの負担を軽減します。
●玄関の上がり框に台を設置する
理由・効果:玄関の出入りが楽になり、外出する意欲を高める事ができる
手すりと組み合わせて設置しても良い
●玄関の上がり框に段差解消機を設置する
理由・効果:リフトによって段差を解消するもので玄関以外でも使用でき、スロープを設置できない場所などに有効
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
私たちにとっては何でもない段差が、ご高齢の方やケガをなさっている方にとっては、とても大きな障害(バリア)に感じられます。
つかまれるところがあったり、段差をなるべく低くしたり無くしたりすることで、室内から外へ出かける気持ちを後押しします。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.09.24
屋外のリフォームは段差などの負担を軽減することで、高齢者の方が危険を感じずに不安なく外出できるようになります。
●外部通路(アプローチ)に手すりを設置する
理由・効果:安全で外出する意欲を高めることができる
●外部通路(アプローチ)にスロープ(コンクリート)を設ける
理由・効果:安全で外出する意欲を高めることができる
●外部通路(アプローチ)に移動用スロープを設ける
理由・効果:車いすの通行を妨げる段差に対して設置するもの
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
高齢者の方の心理的不安(心のバリア)を少しでも取り除く事が、家族の負担を軽減することにも繋がります。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.09.18
福祉用具は、1993年の『福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律(福祉用具法)』第2条において下記のように定義しました。
福祉用具とは、心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障のある老人または心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう。
これにより、福祉用具の範囲には下記のものが含まれることになりました。
・福祉機器
・補装具:身体部位の欠損や機能の損傷を補うもの
・自助具:不自由な日常生活動作をより便利により容易にできるように工夫されたもの
・日常生活用具:日常生活を円滑に行うためのもの
・機能回復訓練機器:機能の改善や維持を図ることを目的としたもの
・介助用補助具
介護保険制度における福祉用具には、貸与対象(原則)と購入費支給対象(例外)があります。
気をつけなければいけないことは、
1.県から『特定福祉用具販売』の指定を受けた販売店から購入しないと介護保険の給付対象にならない
2.1年間で10万円が上限で、そのうちの1割は自己負担となる
3.必要と認められた福祉用具のレンタル料も1割が自己負担となる
4.対象となる福祉用具と似ている機種であっても介護保険の対象外になるものもあるので、事前に地域包括支援センターかケアマネージャーに相談する
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
ということです。
また、必要に応じて介護保険による住宅改修と福祉用具が活用できます。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.09.08
介護保険を活用する住宅改修の手順は、下記の図のようになります。
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
要介護認定を受けたら、まず市町村や地域包括支援センターに出向いてケアマネージャーさんと相談したり、実際にケアマネージャーさんに改修場所をみて頂きましょう。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura
2012.08.21
介護保険を活用してのリフォームを考えられていらっしゃる方も多いと思います。そこで今回は、介護保険活用の介護リフォームについてお知らせしたいと思います。
1.要介護認定がないと給付されない
まず、介護保険での介護リフォームで注意して頂きたいのは、要介護認定で「要支援・要介護」の認定がないと給付されないという点です。保険証を持っているだけでは介護保険の給付は受けることが出来ません。保険者(市町村)が行う要介護認定を受けた方が対象になります。
2.改修する住宅の住所が被保険者証の住所と同一で、本人が実際に居住していること
介護保険活用の介護リフォームをする住宅は、実際に介護されるご本人が居住されていない住宅では対象になりません。
3.住宅改修の費用は一生涯に20万円まで
介護保険制度では、住宅改修の費用は原則一生涯に20万円までが介護保険の対象となります。(住宅改修費用の1割は自己負担)ただし、要介護度が3段階上昇時、又転居した場合は再度20万円まで対象になります。
※要介護度が3段階上昇時とは、要支援及び要介護状態の区分が3段階以上上昇したときで、例えば「要支援1から要介護3」になったことを言う
4.介護保険が給付されるリフォームの対象
■手すりの取り付け ■段差解消 ■引き戸等への扉の取り替え ■洋式便器等への便器の取り替え ■滑りの防止、移動の円滑化等のための床・通路面の材料の変更 ■その他、これらの各工事に付帯して必要な工事
~彩の国さいたま 高齢者の住まいの相談対応の手引き~より
介護保険を活用しての介護リフォームをする場合は、これらのことに注意が必要です。介護リフォームをすることで、ご高齢の方が毎日を少しでも快適に過ごせ、精神的自立と意欲の増大が期待できることになります。
インテリアコーディネーター
・福祉住環境コーディネーターshimura
2012.07.27
最近では和洋折衷タイプが多くなった浴槽ですが、浴槽を大まかに分類すると、和式タイプ・洋式タイプ・和洋折衷タイプの3タイプがあります。
和式タイプは、幅が80~120㎝で深さが60㎝位あります。膝を折って入浴するタイプで、しっかり肩まで浸かりたい人向きです。比較的小さめの浴室に向いています。
洋式タイプは、幅が120~180㎝で深さが40~45㎝位です。寝た姿勢で入浴出来るタイプなので、肩まで浸かれないと寒く感じたりする事もあります。比較的大きめの浴室に向いています。
和洋折衷タイプは、幅が110~160㎝で深さが60㎝位です。肩まで浸かることもできるし、ある程度身体を伸ばすこともできます。
浴槽の設置方法も、据え置き型・埋め込み型・半埋め込み型の3タイプがあります。
据え置き型は、浴槽を床面に据え置く方法です。猫足のバスタブをそのまま置いたり、木製浴槽をそのまま置いた旅館などが見受けられますね。
埋め込み型は、床面と同じ高さまで埋め込む方法で、狭い空間に広がりを与えます。気をつけなければいけないのは、石けんの泡が入りやすくなったり、浴槽の底と洗い場の段差が大きくなるので、周囲に手すりなどを設置する配慮が必要になったりします。
半埋め込み型は、浴槽の3分の1位を埋め込んで、床面から30~40㎝立ち上げて設置する方法です。出入りがし易く、石けんの泡なども流れ込まずに衛生的です。また浴槽の縁が低くなるため、浴室が広く見えます。
高齢者の方のリフォームという視点で考えても、和洋折衷タイプで、この半埋め込み型が適しています。腰を掛けるスペースを設けることで、更に使いやすくなります。浴室の扉は引き戸にし、出入り口の段差を無くします。この時には、浴室出入り口や浴槽への手すりの設置もお忘れなく。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura