2012.02.08
加齢に伴い身体機能が低下してくると、歩行時に体のバランスを崩し、わずかな段差につまずいて転倒することが多くなります。玄関の出入り、廊下から階段の移動、廊下と居室の出入りなど、あらゆる場所に段差があります。また、トイレの立ち座り用や座位保持用、浴室の出入り用や移動用など排泄時や入浴時に手すりがあると生活がラクになります。そこで転倒防止のためにも、必要に応じて手すりの取り付けを考えられてはいかがでしょうか。
【手すり】
玄関の手すりは、框(かまち)の真上に縦手すり、廊下の壁に横手すりを付けます。縦手すりは、土間床面から750~800㎜の高さが、手すりの下端になるのが取り付け高さの基準になります。階段や廊下に付けられる手すりで、身体の位置を移動させるときに手を滑らせながら使うには、手すりの直径が32~36㎜の太さが良いでしょう。手すりの高さは、床面から750~800㎜が基準となりますが、使用者(高齢者)の大腿骨大転子(だいたいこつだいてんし)の位置に合わせるとより使いやすくなります。
※大腿骨大転子・・・大腿骨の上部で外へのでっぱり部分
階段に取り付ける場合、両側に設置するのが望ましいのですが、片側のみの場合は、下りる際に利き手側に設置します。
また、トイレや浴室など、身体の位置はそれほど移動しませんが、上下移動の際、しっかりとつかまって使用できる手すりの直径は28~32㎜と少し細めになります。
TOTOカタログより
【手すりの端部】
手すりの端部は、パジャマなど着衣の袖口が引っかからないように、壁側または下方に曲げ込む形のものにします。エンドキャップだけでは危険です! 手すりの取り付け金具は、受け金具で手すり下部から受けるようにする と、移動がスムーズにできます。
TOTOカタログより
【手すりの素材】
トイレの手すり素材は、樹脂被覆製または木製手すり、浴室の手すり素材は、金属製、合成樹脂製、樹脂被覆製
などが良いとされています。廊下や階段などは、インテリアや質感など意匠性にも配慮して選びます。
TOTOカタログより
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
shimura